トリオ 6m機の部屋

KENWOODの第三技術部長でいらした櫻井誠さんを探しています
お心当たりの方はぜひお知らせください(私の学校の先輩です)
hamradio(あっとまーく)dream.com

TR-1000
機器概要:50M帯AMポータブルトランシーバ
発売年月:1966年3月定価:27,500円
周波数範囲:50MHz帯(水晶式)
モード:AM
いわゆる“トラセン”。TRIO最初のポータブル機で,単一電池を内蔵して野外運用ができます。送信はオーバートー
ン水晶発振の3ステージ,受信はクリコン+第二局発VFOのダブルスーパーですが,見た感じは6石ラジオにクリコン
基板を付け足したようなもの。シリコントランジスタが出たかどうかの時期だったのでしょうか。受信部の石はすべてゲ
ルマのPNPで,もちろんプラス接地! 電源接続はくれぐれも注意しませう。
修理のヒント
TR-1100
機器概要:50M帯AM/FMポータブルトランシーバ
発売年月:1969年6月定価:32,000円
周波数範囲:50MHz〜54MHz
モード:AM/FM
“トラセン”に続く6mポータブルですね。体積は半分くらいになり一見1VFOなのですが,多連バリコンで送受のVFO
を連動させているに過ぎないので,結局キャリブレ操作が必要です。糸かけでキコキコ回るメインダイヤルが自作っぽ
くてなかなかイイ。このVFOは凝っていて,送信中も受信回路を生かしておいて,FMのディスクリ出力で送信VFOに
AFCをかけることで周波数安定度を上げています。つまり,比較的周波数が低く安定度の良い受信第二局発に送信
VFOを追従させるという超アナログ的フェーズロックループかも?
生産時期によって,ケースの止めネジが旧JISのものがある(シリアル0番台?)ので要注意。
(ワザ:TR−1100は照明をつけたままにはできませんので,内部で照明SWをショートして撮っています。)
TR-1100B
機器概要:50M帯AM/FMポータブルトランシーバ
発売年月:1971年5月定価:28,400円
周波数範囲:50MHz〜54MHz
モード:AM/FM
TR−1100の改良形。一部の石が変わった他はほとんど同一回路ですが,マイクが本体から外せるようになったり,
キャリブレスイッチ(照明SW兼用)もプッシュロックタイプで独立して操作性が上がりました。
また外装が塗装からレザー貼りに変わったのですが,ビニール樹脂の物性なのかこれがベタベタになっていることが
よくあります。
この当時のTRIO全般に言えますが,シルク印刷がはがれ易いので購入時,または清掃時に注意が必要です。
TR-1200
機器概要:50M帯AM/FMポータブルトランシーバ
発売年月:1972年1月?定価:34,000円
周波数範囲:50.0MHz〜52.5MHz
モード:AM/FM
TR−1100Bの後継機かと思ったら,併売していた時期もあったようです。1100Bはローコスト機,1200は実用機
という格付けでしょうか。その後,松下電器のRJX−601が出てきたことで,TR−1200はこれにすっかり食われて
しまい,結果として販売台数があまり多くなく,今や希少品となっています。
発売当時は“完全トランシーブ”がうたい文句で,ダイヤルツマミが大きく,その内周に目盛りがあるという構造はなか
なか斬新。火を入れるとダイヤル指針付近がが緑色に照らされます。
スケルチがないのはがまんするとして,FM/AM切り替えがリア(底面)にあるのはやはり不便ですね。
中古品を探すにあたり,ポータブル機の宿命である電池の液漏れや,マイクコネクタの4P改造,ダイヤルのアクリル
のヒビなども少なくないので注意が必要です。
修理のヒント
TR-1300
機器概要:50M帯SSBポータブルトランシーバ
発売年月:1975年10月定価:41,800円
周波数範囲:50.1MHz〜50.25MHz
モード:SSB
TRIOで最初で最後の6mSSBポータブル機になると思います。水晶シンセ+VXOのシングルスーパーで,ともかく
感度が良く,周波数安定度も悪くなく,今でも相当の人気があるようです。外付けVFOであるVFO−40や10Wリニ
アなどの周辺機器も売られていましたが,これらは希少品。とくにVFO−40はめったにお目にかかれません。
中古品ではロッドアンテナが付いていないものも多く,電池ケースが割れていたり液漏れで腐食していたりで,ポータ
ブルで使いたい方にはやや難多し。固定で使うには電源の3Pコネクタが入手できないという問題も抱えています。
修理のヒント
TR-5000(前期)
機器概要:50M帯AM/FMトランシーバ
発売年月:1968年8月定価:39,800円
周波数範囲:50MHz帯(水晶式)
モード:AM/FM
受信VFO,送信クリスタルというのはTR−1000と同じで,こちらは車載兼固定機という位置づけになっています。
電源を入れるとダイヤル指針が緑に浮き出てきれいです。
回路的には非常に原始的で実用性は・・・?。IFTはFMの帯域を確保するためか,455kcではなく,1650kcという
特殊なものが使われているため,これが断線していたりすると修理不能になります(FCZの1.9MHzコイルが使え
るか検討したことがある)。
本体右側に抱かせるサイコロのような専用VFOと,下に敷くAC電源が用意されていますが,いずれも希少品です。
修理のヒント
TR-5000(後期)
機器概要:50M帯AM/FMトランシーバ
発売年月:定価:39,800円
周波数範囲:50MHz帯(水晶式)
モード:AM/FM
TR−5000の後期型です。ある時,いくつかの手持ちを並べてみて,はじめて前期・後期でデザインが違うことに気
づきました。前期品にあったパネルの上下を二分割するような溝がなくなり,そこに書かれていた文字がダイヤル左
下のスペースに移りました。また,メインダイヤルの飾りリングがアルミからメッキ品になり,幅も細くなりました。
両者に回路的な違いはないようで,昨今,中古で入手できるものは大半が後期型のようです。
TR-5100
機器概要:50M帯FMモービルトランシーバ
発売年月:1968年8月定価:47,800円
周波数範囲:50MHz帯(水晶式)
モード:FM
弁当箱タイプのFMモービル機,ケースやパネル部分のダイカストはTR−1100と共用のようです。2m機はこの後に
7200に進化しましたが,6mはこれで終わりました。送信の逓倍数が多く原発振が低いため,水晶はHC−6/Uが
使われているあたりに年代を感じます。TR−7100に比べると生産数が少ないためか,どちらかと言うと希少品。
特にTR−1200と同型のプリモ製3Pマイクは超希少品です。パワーSWがプッシュON/OFFというのは,カーラジ
オに倣ってでしょうか?
TR-5200
機器概要:50M帯AM/FMトランシーバ
発売年月:1971年5月定価:69,900円
周波数範囲:50MHz〜54MHz
モード:AM/FM/CW/SSB受信のみ
6m固定機の定番,今でもそこそこの数が売買されているようです。ライバルのIC−71はBFOがオプションでしたが
こちらは標準装備のため,モードSWに“SSB−R”というポジションがあります。そのIC−71とファイナル回路が全く
同じなのは偶然でしょうか?? 6mの10W機でコレクタ変調をかけるというのはTRIOでも初めてで,先行していた
IC−71をパクったという噂も。。。 スケルチがとろいのが弱点ですが,全体の操作性はIC−71より上でしょう。
ひとつだけ残念なのは,ダイヤルギヤ機構が廉価なプラスチック製なこと。回してみると安っぽい感じがします。
前期ロット(シリアル300000番台,400000番台)のみDRIVEバリコンがゴムベルト駆動で,それ以降はチェインにな
っており,外観的には,リアパネルのファイナルBOX取り付け部分に「押し出し」のないものがこの前期ロット品です。
ファイナルは無負荷送信に極めて弱いので,飾りとして使用するときはスタンバイSWをその上のCH.SELECTに
ヒモで結わいておくと不慮の送信が防止できます。
修理のヒント
TS-600
機器概要:50M帯オールモードトランシーバ
発売年月:1976年5月定価:134,500円
周波数範囲:50MHz〜54MHz
モード:CW/SSB/AM/FM
6m機としては初のオールモード機です。時代的にはTS−700の発売から遅れること約2年ということもあり,センタ
ーメータ,プリアンプ,100kHzマーカー,固定ch,パワーコントロール等々機能的にも充実しています。
6mのAM運用を意識して,MODEスイッチの中央をAMにし,キャリアレベル調整をパネルに出したり,AMで5W出
すためにファイナルをプッシュプルにしています。さらにAM変調回路をバラモジとは独立させ,受信IFも単独回路を持
たせるなど,オマケのAMではなく,当時主流だったAMを重視していたことが伺えます。
TS−600はロットによって2種類が存在し,後期ロット(72xxxx以降)にはセンターメータ用の基板が追加されてい
ますが,性能的な差はないようです。
修理のヒント
TS-660
機器概要:21/24/28/50M帯オールモードトランシーバ
発売年月:定価:
周波数範囲:21MHz/24MHz/28MHz/50MHz帯
モード:CW/SSB/AM/FM
HF帯の一部がオマケに付いたコンパクトな6m機です。6mオールモードにHF入門バンドの21Mと,新バンド24M,
それに当時話題になっていた29Mを付けたもので,FMはオプションとなっていました。
このころからギヤでバリコンを回すのではない,デジタル制御の“本当の”PLL VFOが登場してきましたが,技術的
に未成熟だったのか,ダイヤルを回すと所々「継ぎ目」が感じられました。
広帯域設計のファイナル部はAMで5W出すために強化されていて,そのためALCを緩めると20Wくらい出ます。
拡張性はAM/CWフィルターの増設程度で,あくまで「軽く使う」リグと考えるのが正解です。
修理のヒント


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