TR−2300/2300(A)
TR−2200よりひと回り小型になり,PLL化されて145MHz帯は全ch出られるよう
になりました。今入手できるのはたいていマルAタイプで,マイクコネクタの横のスイッ
チがB-145-Aになっているもの。マルAのないR-145-Aは比較的希少品です。
故障で一番多いのが「受信ノイズは出るが送受信不可」というもので,PLLのアンロ
ックが原因。これさえ直してやればたいていは正常に動きます。
不具合現象頻度原因修理内容
送受信できない(受信ノイズOK)半数 PLLのヘテロダイン後のアンプQ16,Q17のゲイン低下。2SC460交換。
Q18(74LS73)の1ピンの振幅が2Vp-p程度ないとロックしなかったり
不安定になるので,動作している場合でもここをチェックすることをお薦
めします(交換後は3Vp-p以上振れるはず)。
受信ノイズは出るが感度極悪,
スケルチも効かない
1件IFのMC3357P不良。ICソケットに入っているので交換は容易です。
144M台で送信周波数が不安定1件 局発のL15調整ズレ。TP2にRFプローブまたはオシロをつないで,振幅
が山を越えて発振が止まるポイントから半回転くらいコアを戻します。
B-145-Aを切り替えると送受信で
きなくなる
2件 VCOのTC7再調整。おおまかな目安は,TP6の電圧が145.00で2.5V
くらいなるように調整します。個体によっては,144M台と147M台を同時
にロックさせることができない場合があります。
74LS73の1ピンの振幅を測定して2Vp-pないものはQ16,Q17も交換し
たほうがいいです。
送信周波数が数kHzずれている2件 TXユニットのTC1再調整で合います。これに先だってPLLの基準発振
(TP5/TC6/10.24MHz),ヘテロダイン局発(TP2/TC5/43.9133MHz)
を合わせておく必要があります。
スケルチの効きが甘い1件IF増幅のQ3(2SC460)の劣化,交換。
145.08で145.00が出る1件メインダイヤルのハーネスの橙(80kHz単位)が圧着不良。
受信感度が10dBくらい悪い1件不明
パワーが0.5Wくらいしか出ない1件 ファイナルのTC2〜TC4調整ずれ。尚,これらを調整する場合はあらか
じめVR2を半時計方向に回しきっておきます。このVR2でパワー調整が
できます(物によっては2.5Wくらい出る)。
※ロッドアンテナが付けておかないとパワーが減ります。
ボリウムのガリ数件 接点復活剤でとりあえずOK(両サイドのパネルの止めネジを外して手
前に傾け,ボリウムのナットを外すとやりやすい)。
ダイヤルの照明が暗い1件LAMPのスライドSWの接触不良。2〜3回動かしたら復活。
内部のアルミ部分が変質数件 ニッカドの腐食性ガスでシャーシのアルミ部分が白く粉を吹いたように
なっているものがあります。