RJX−610
松下電器としてはRJX-601に次ぐヒット作でしょうか。無線機というより,ラジオの延
長線上のようで,中を見るとがっかりします。電気的性能はともかく,VFOのギア機
構が最大の難点で,これほどチューニングしづらいSSB機は他にないでしょう。
これを除けば今でも一応実用になるようです(QRHは相手局にがまんしてもらう)。
不具合現象頻度原因修理内容
周波数表示が出ず送信も受信も
できない
1件 電源部のC65のショートと,それに伴ってQ14が破壊。石は持ち合わせ
の2SB595に交換。
周波数表示が0のまま送信も受
信もできない
1件 VFOのバリコンがショートしていた(羽根を一番抜いてもショート状態)。
バリコンを外してエアーを吹いたら直った。半田クズか??
ほとんど受信できない1件プリアンプが組み込まれていたが,動作していなかった。
受信ノイズが甲高い1件キャリアポイントずれ。CT1再調整。
ノイズは出るが受信感度が悪い
パワー出ない(メーターは振れる)
多数 底面のWHIP/EXTスイッチの接触不良。接点復活剤で処理。スイッチ
は2回路あるのでパラにしてやるとさらに安定すると思われます。
SSBで時々パワー出ない1件 SSB/CW-Tスイッチの接触不良らしい。CW-Tにするとマイクアンプが
ミュートされるようになっているため。
出力が不安定1件 RF OUTスイッチの接触不良。動かしていると直ります。
ちなみにLOパワーはVR5で,HIパワーはVR9で調整できます。
LOWでも5W近く出る1件調整で直らないのでRF OUTスイッチの接触不良らしい。
受信時も1A近く流れる1件ファイナル2SC1969の不良。
受信はできるがSメータ振れない1件AGCアンプのC61のショート。10V100uFは不良散見。要注意。
Δf(RIT)ガリ半数 ボリウムにDCをかけるとたいていガリになります。ひどくないものは回
していれば一応は良くなります。接点復活剤を使うときは,パネルを外
すとボリウムの開口部が見えます。。
ランプ,周波数表示が点かない1件DISPLAYスイッチの接触不良。10回くらい動かしてとりあえず可。
DC入力ジャック破壊1件 KEYジャックと連鎖部品なので,ツバ部分を残してDCジャック部を切り
取り,そこに別のモールド製DCジャックを接着してなんとか復帰。
逆接防止が機能せず1台 逆接防止ダイオードが短絡。5Aクラスのショットキーに交換。
これが原因で下の不具合がまとめて起きた。
受信音出ずAF段のμPC575C2破損,交換。
受信感度悪いアンテナリレーの制御のQ27破損。2SC1815に交換。
パワー出ず ファイナル2SC1969,ドライバ2SC2166破損。2SC2166はすでにない
ため,2SC2029に交換。
ファイナルのR109焼損22Ω交換
ここは一応再調整しておいたほうがいいかな。。。