IC−71
TR−5200と並んでかなり売れたリグのようで,今でも中古でよく見かけます。
IC−71の不具合で一番多いのは「52の焦げ」でしょう。ダイヤル照明ランプの熱で
拡散板が焦げてしまっているもの。プラ板で拡散板を自作して交換することもできま
すが,えらい労力がいります。ファイナルは無負荷送信に極めて弱く,死なせてしま
うと代替品がないので修理不能になります。要注意。
不具合現象頻度原因修理内容
電源を入れるとショート状態1件 電源の逆接によって,オーディオPA段の2SB337のE-C間ショート(2個
とも)。策検討中。
電源の逆接で送受信不能1件 AVRのTR27とTR28,プリドライバ,ドライバ,ファイナルがすべて壊れ
ていた。このリグは逆接防止ダイオードがないので要注意!
ドライブ目盛り52が焦げている数件修理が大変なのでそのまま
ダイヤルランプ点かない1件 ランプ切れ交換(12V3Wの電球が入っているが,これは12V0.11Aのも
のに交換しておくのが賢明)。
メーターランプ点かない2件 ランプ切れ交換。後期品は直列に抵抗が入れてあるが,前期品はこれ
がないため切れやすい?
パワーが2Wくらいしか出ない1件ドライブの2SC517のフィンが+Bの貫通端子に接触していた。
ボリウムを回すと発振する1件 ボリウムがガリになっていて,スライダーが浮くと発振するらしい。
接点復活剤でやや改善。
AM-NとAM-Wでピークがずれる1件AM-Nのピークに合うようにIFTを再調整。
AMの感度が悪く,入力を+40dB
以上入れるとSメーターが下がる
1件 IFT T9に内蔵の同調コンデンサ不良。外に180PFを付けて同調を取り
直して解決(同調ズレによってIF段が発振しかかっていた?)。
Sメーターが振れない1件S&RF/SWRスイッチの接触不良。接点復活剤で改善。
52MHz台でパワーが下がる1件局発が弱っているらしい。OSCのトリマ調整でやや改善。